人生の4つのステージ
ヴェーダの文化では宗教的な人生において4つのステージ(アーシュラマ)があるとされています。とても簡単ですが、以下にそれらの説明をします。
1番目のステージ: ब्रह्मचर्य brahmacarya(ब्रह्म + चर्य = ブランマン(自己の探求)の実践)
ヴェーダ(聖典)を学ぶ学生時代。特に自己を探究することであり、宗教的禁欲を意味します。これを実践する未婚の男子学生はブランマチャーリーと呼ばれます。
2番目のステージ: गृहस्थ gṛhastha(गृह + स्थ = 家にいること)
家庭を持つこと、いわゆる在家。学生としての学びを終えた人が働いて結婚し家庭を設け、日々のカルマ(祈りの儀式)を行うといった一家の長の務めを果たすことをグルハスタと呼びます。また聖典を学ぶ人やアシュラム、寺院等の施設に寄附をするなどして支える役目もあります。
3番目のステージ: वानप्रस्थ vānaprastha(वान + प्रस्थ = 森に行くこと)
学生と家庭人のステージを終えた人が森で宗教的な隠居、隠遁生活をすることをヴァーナプラスタと言います。
4番目のステージ:सन्नयास sannyāsa (मस् + नि + अस् + घञ् = 放棄すること)
最後のステージでは、すべてのカルマ(儀式)および物質的な欲望を放棄して、静かなる精神修養、自己の探求に残りの人生を捧げます。それを実践する人はサンニャーシーと呼ばれます。伝統では、人生の終わりにかけてのステージとされていますが、若い学生が世俗的、物質的な追求を放棄して、家庭人と隠遁生活を経験せずにそのままサンニャーシーになる選択をすることもあります。

サードゥ達に昼食を施すバンダーラの風景。リシケーシュのアシュラムにて。